皮膚の乾燥やかすみ目、月経不順──それって「血」の不調かも?
カラダの状態を一定に保つ役割を持つ「血」
漢方で不調の原因を探るときに必要となる「ものさし」のひとつが「気(き)・血(けつ)・水(すい)」です。今回は“血の不調”について見ていきます。
「血」は、全身を巡ってさまざまな組織に栄養を与える、主に血液のことを指します。
また私たちが持っている、「ホメオスタシス(恒常性)」に関係するのも、血だと考えられています。ホメオスタシスとは、外の環境に影響されず、体内の環境を一定に保つ働きのこと。
例えば、気温が高いときに汗をかいて体温を一定にする働きや、塩辛いものを食べて体内の塩分濃度が上がると水を飲みたくなる働きなどが、挙げられます。
そして、これが正常に作用しないと、さまざまな不調が出てきます。
貧血、皮膚の乾燥、抜け毛、集中力の低下など
血の不調にはいくつかありますが、今回取り上げるのは「血虚(けっきょ)」です。
血虚はまさにその名前の通り、血が不足した(虚になった)状態で、西洋医学でいうところの貧血のような状況を示しています。
具体的な症状としては、貧血のほか、皮膚の乾燥、顔色が悪い、抜け毛、目のかすみ(ドライアイ)、眼精疲労、爪が割れる、手足のしびれ・けいれん、青あざができやすい、不眠、集中力の低下などがあります。
月経の特徴としては、月経周期が遅れやすい、経血量は少なめ、月経の終わり頃に痛みが出る、月経中はだるくて疲れが出る、といったことが挙げられます。
血虚タイプがとくに注意したいのは「冷えと貧血」
カラダのホメオスタシスに関わる血。
先ほど例に挙げたとおり、外気温が高いときは汗を出して体温を調整します。反対に外気温が低いときには血液を巡らせて、体温が下がらないようにしていきます。
しかし、この力が弱いのが血虚タイプの特徴です。
過度な冷房や冬の寒さでカラダが冷えて、体調を崩しやすいので注意が必要です。
なお、貧血はまさに血虚を示す西洋医学的な診断なので、病院の診察や健康診断などで「貧血」を指摘されている人は、しっかり対策をとっていくようにしましょう。
鉄+タンパク質+ビタミンC+カルシウムが大事
血虚や貧血が大きな問題なのは、その状態が慢性化することで慣れてしまって、「ふつう」だと思ってしまうこと。
気付かないまま放置しておけば、生活の質が下がったままです。
先に挙げた症状に心当たりがある人は、まずは生活の見直しを図っていきましょう。
血虚の改善には、鉄を含む食材を中心に、バランスの良い食事を心がけることが大事。
鉄に加えて、鉄の吸収を高めるタンパク質、ビタミンC、カルシウムを意識して摂っていくようにしましょう。
そして、糖質や脂質もしっかり摂ること。意外かもしれませんが、これらの栄養素を控えると、本来カラダを作るためのタンパク質が、エネルギーとして使われてしまうからです。
食事内容の見直しは、健康への第一歩です。意識しながら無理のないようにトライしていきましょう。
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参照
『決定版 漢方』(花輪壽彦監修・新星出版社)
『よくわかる最新医学 冷え症・貧血・低血圧』(南雲久美子監修・主婦の友社)
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ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic医療ライター・山内