漢方ビュー通信

むくみやすい、鼻水がよく出る──それって「水」の不調かも?

むくみやすい、鼻水がよく出る──それって「水」の不調かも?

むくみやめまい、頭痛、下痢は水毒の症状

漢方で不調の原因を探るときに必要となる「ものさし」のひとつが「(き)・(けつ)・(すい)」です。今回は“水の不調”について見ていきます。

「水」は、血液以外の体液全般に相当し、水分代謝免疫のシステムに関わっているとされています。
水はカラダに必要な成分ですが、一方でうまく排出されずに溜まりすぎてしまうと、全身にさまざまな問題をもたらします。その状態を漢方では「水滞(すいたい)」あるいは「水毒(すいどく)」と呼び、むくみやめまい、頭痛、下痢、排尿異常などの原因と考えられています。

「アレルギーの病気」や「天気痛」の原因にも

水の停滞で起こるのは、先に挙げた不調だけではありません。
水は免疫や老廃物の除去にも関わっているため、水の不調があると気管支喘息やアレルギー性鼻炎など、アレルギー疾患になりやすいとも言われます。
また気象状況のなかの「気圧」の影響を受けやすいのも水毒タイプの特徴で、低気圧が来ると頭が痛くなる、慢性痛が悪化するなど、いわゆる「天気痛」なども起こしやすいようです。

※気象病・天気痛については佐藤先生のインタビューをご覧ください
「天気で体調が悪くなる」は気のせいじゃない

ぽっちゃり体型も水の停滞が原因のひとつに

ぽっちゃり体型も水の停滞が原因のひとつに

具体的に水毒で現れる症状は、先に挙げたむくみやめまい、頭痛、下痢、排尿異常のほか、頭が重い、咳や痰、鼻水、口の渇き、お腹がはる、関節痛、カラダがだるい、手足の冷えなどで、水太り(ぽっちゃり体型)も、水の停滞が原因とされています。

排出されない水のため、便がゆるくなるため下痢になったり、胃腸に水分が溜まると食欲不振になります(夏バテはまさにこの症状です)。だるくて、カラダが重く感じるのも、すなわち溜まった水の影響といえます。
さらに、耳のなかに不要な水分が多いと、めまいや耳鳴り、吐き気といった耳鼻咽喉科系の症状が出ます。関節に水がたまれば関節痛をもたらします。

不要な水分を排出するケアなどを試してみよう

不要な水分を排出するケアなどを試してみよう

水毒の原因はカラダに溜まった不要な水ですから、それを排出して、水の循環をよくすることが、水毒の改善につながります。
シンプルに水分を排出する方法としてあげられるのは、「汗をかくこと」です。
適度な運動や入浴などで汗をかく習慣を付けて、不要な水分が体内に残りにくい状態を作り出しましょう。水毒になりやすい人は水分の摂り過ぎにも注意が必要です。

また、気象状況に影響を受けやすいので、天気予報などをこまめにチェックし、体調を崩しそうな日は無理をしないなどの心がけも大切になります。
冷たいものは控え、お腹はできるだけ冷やさないようにしましょう。

 

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参照

『身体と心の不調がよくなる かんたん漢方』(佐藤弘監修・成美堂出版)

『決定版 漢方』(花輪壽彦監修・新星出版社)

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ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

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Jul 21 2023

医療ライター・山内

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