漢方ビュー通信

意外と女性に多い大腸がん、予防のカギは?

乳がんに次いでかかる人が多い大腸がん

少し前になりますが、大食い番組で人気を博した女性が大腸がんで亡くなったことが、ネットニュースで報じられました。本人はSNSで自身の病気についてカミングアウトしており、亡くなられたのは59歳でした。

女性のがんというと、乳がんや子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんなどを思い浮かべる人が多いと思いますが、じつは大腸がんも女性に多いがんのひとつです。
国立がん研究センターのがん情報サービスによると、2019年に日本で大腸がんと診断されたのは15万5,625人。うち女性が6万7,753人。
罹ったがんで見ると、1位の乳がんに次いで、大腸がんが2位になります(3位が肺がん、4位が胃がん、5位が子宮がんです)。

40歳になったら年に1回「がん検診」を

大腸がんは5年相対生存率(2009~2011年)が71.4%と、比較的、予後の良いがんです。しかし、それは早期発見ができるがんだからです。早い段階で見つかれば、カラダへの負担が少ない治療ですみますし、抗がん剤なども必要ありません。
だからこそ、定期的にがん検診を受けることが重要です。

現在、厚生労働省は「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」を定めていて、市区町村による科学的根拠に基づくがん検診を推進しています。
それによると、大腸がんに対しては便潜血検査(いわゆる検便)を40歳以上の男女に年1回することになっています。
検便とは便のなかに血液が混ざっているかどうかを調べる検査で、大腸がんの有用な検査のひとつです。これで陽性となった場合、大腸内視鏡を受けるなどして、がんの有無を調べます。

毎年受ければ大腸がん死亡リスクが3割低下

たかが検便、と侮ってはいけません。
海外の研究によると、検便を毎年受けることで、大腸がんによる死亡リスクが33%下がることが報告されています。
何より検便は食事制限がなく、血液検査のように針を刺さないため痛みもありません。
「陽性」と出た場合、がんではない(痔や月経などによる)こともあるので、内視鏡検査を受けるまでは不安になるかもしれませんが、万が一のことを考えると受けておいた方がいい検査です。
なお女性は、より正確な検査を受けるため、月経中だけでなく、月経後4日までは検便は控えた方がいいようです。

便秘、肥満、喫煙、運動不足をなくそう

大腸がんでは、昨今、予防できる生活習慣についても明らかになってきています。
過度な飲酒や喫煙、肥満、運動不足がリスク要因なので、適度な飲酒(節酒)、禁煙、運動習慣を付ける、肥満を予防することが大腸がん予防につながります。

漢方入門!漢方薬の名前に隠された秘密を解説

このうち便秘や肥満に関しては、漢方薬を利用するという手もあります。
適度な運動や栄養バランスのよい食事、生活習慣の改善だけでは解消できない慢性的な便秘、あるいは肥満がある人は、漢方に詳しい医師や薬剤師などに一度、相談してみるといいかもしれません。

参照

国立がん研究センター がん情報サービス
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/67_colorectal.html#anchor1
https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

厚生労働省 市町村のがん検診の項目について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059490.html

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Oct 11 2023

医療ライター・山内

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