年代別で大きく変化する女性のカラダ──その理解を深めよう!
近年、女性の社会進出を背景に、女性のデリケートゾーンをケアする製品やサービス(フェムケア)や女性が抱える健康の課題をテクノロジーで解決できる製品やサービス(フェムテック)などが一般的になりつつあります。
その背景には、女性が社会で活躍しようとなると、どうしても月経や妊娠、出産、更年期、閉経など多くの心とカラダの問題に直面し、社会的損失を生じてしまうことが考えられるからです。
そのため、2025年には、フェムテックの市場が世界で5兆円規模にもなると予想されています。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、女性の年代別のカラダの変化について解説します。
女性のカラダは7の倍数で変化する
東洋医学では、女性は7の倍数の年齢になると、カラダの変化が訪れるといわれています。
例えば、14歳で初潮を迎え、28歳で女性ホルモンの分泌がピークを迎え、女性としてカラダが最も充実する時期になります。35歳頃からは容姿の衰えが見え始め、女性ホルモンも減少していきます。42歳頃では、急激な女性ホルモンの減少に伴い、白髪やシワが目立つようになります。そして、49歳以降に閉経し、56歳から63歳と老年期を迎えます。
節目ごとにチェックし、自分のカラダの変化が早まっていないか確認し、それに応じて対策をしていくのがよいでしょう。ですが、肌・髪のケアや生活習慣に関する対策は、一朝一夕での効果実感は難しいので、毎日の日課として取り組む姿勢が大切です。
年齢とともに変化する女性のライフステージ
一般的に、45〜55歳頃に訪れる「更年期」ですが、その手前にあたる30代後半〜40代前半を「プレ更年期」と呼ぶことがあります。この時期は、頭痛やめまい、肩こり、ホットフラッシュ、冷え、イライラ、不安、不眠、食欲不振、月経の異常など、更年期障害によく似た症状が現れやすくなります。
そもそも、女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンがあり、そのバランスが崩れると更年期の症状を感じやすいといわれています。したがって、排卵を伴わない月経が続くプレ更年期では、低プロゲステロンとなり、エストロゲン優勢の症状を感じやすくなってしまうのです。
また近年では、ストレスや睡眠不足、過度なダイエット、偏食などの要因で、健全な状態を保つことは難しい状況の女性が増えています。
更年期になると、エストロゲンの分泌をしている卵巣機能が低下していくため、脳の指令通りにエストロゲンを分泌できず、脳が混乱しホルモンバランスや自律神経を乱し、のぼせ、ほてり、動悸、イライラ、不安感などの症状を感じるようになります。
閉経後には、卵巣ではなく脂肪細胞などでエストロゲンが作られます。
しかしながら、閉経後はエストロゲンの活性が1/10程度まで低下しています。そのため、エストロゲンが欠乏することによる不調を感じる機会が増え始めます。
たとえば、不眠、疲労感などの精神神経症状、尿漏れ、性交障害など泌尿器生殖器の萎縮症状、脂質代謝異常や心血管系の疾患、骨粗鬆症などです。
漢方薬での対策がおすすめできる理由
このように、女性のカラダは、ホルモンのバランスによって年代別に大きく状況が変化します。
生理痛やPMS(月経前症候群)、ニキビ、イライラ、頻尿、腰痛、肩こり、歯ぎしり、不眠など年代ごとのフェーズで困りごとは絶えないと思います。
ですが、何も知らずにただ不調だと嘆くのではなく、ある程度カラダの変化を理解しながら対策を練っていく必要があると思います。
そのような中で、漢方薬は女性の些細な不調の改善を非常に得意としています。なによりも、一剤で複数の症状に対して効果が現れることも、おすすめできる理由のひとつです。
不安に思っていることや、長引いている不調など、個々の体質や肌質に合わせてさまざまな処方がありますので、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛