漢方ビュー通信

40歳を過ぎたら「骨密度検査」が必要な理由

さまざまな働きで注目される「骨」

カラダを支えるだけでなく、内臓を守る、血液のもとを作る、カルシウムを蓄えるなど、さまざまな働きが注目されている「」。
最近では、糖代謝を調整する、筋力をつける、免疫力を上げる、集中力を高めるといったことに働くホルモン(オステオカルシン、オステオポンチン)を分泌する器官であることも判明し、ますますその重要性が高まってきています。

一方で、若い女性の骨問題が、深刻化していることも事実です。
女性の骨量の経年変化をみると、10代の成長期にグンと増え、20代をピークに、40代ぐらいから徐々に減ってきます。

年を重ねてから骨量を増やすことは困難であることから、20代のピーク時にどれだけ骨量があるかが、その人の将来の骨の健康を左右するということになります。
しかし、20代のときの骨量が十分でない女性が多く、将来、骨粗しょう症など、骨量の低下による健康問題を招きやすい女性が少なくないようなのです。

骨粗しょう症は若くても発症する

骨粗しょう症とは、骨がもろくスカスカになった状態をいいます。
詳しくは、骨量(骨密度)が減ったり、骨の質が低下したりする状態で、骨折リスクが高く、骨折すると治りにくく寝たきりなどの原因になります。
骨粗鬆症財団によると、骨粗しょう症患者数は全国で推計1,280万人、そのうち女性が980万人とされ、女性の割合が多くなっています。

高齢者に多い病気というイメージがありますが、診断基準は年齢に関係なく、「20~40歳の平均骨密度の70%以下は骨粗しょう症」(日本骨粗鬆症学会)です。
骨代謝には女性ホルモンのエストロゲンもかかわっているので、エストロゲンの分泌が低下する更年期以降にリスクが高まることは事実ですが、前述したように20代のときの骨量が少なければ、それだけ骨粗しょう症になりやすいのです。

自分の今の「骨密度」を知ることが大事

そんななか、いま多くの整形外科医が推奨しているのが「骨密度」の検査
毎年、会社や自治体の健診(健康診断)を受けている人は多いと思いますが、そこに骨密度検査という項目は含まれていないことがほとんどです。
したがって、骨密度検査を受ける場合は、こうした健診のオプションでつけるか、別途、整形外科を受診して測定するか、になります。
最近では、骨密度を無料で測ってくれるドラッグストアなどもあるようですから、そういったサービスを利用するのもよいかもしれません。

40歳を過ぎたら「骨密度」を測ろう

また、骨密度検査は「40歳(代)を過ぎたら一度は測ったほうがいい」とされています。
なぜ40歳(代)なのかというと、「現状を知って予防・対策にあてる」ためです。
骨粗しょう症は気付かないうちに進行します。
ですので、骨量が変化をしはじめるこのタイミングで一度、数値を知り、少ない人は骨量の減るスピードを緩やかにするような対策を始める。これにより骨粗しょう症や、それによる骨折を防ぐことができる、というわけです。
検査は1~8分程度、痛みはありません(問診もセットで行います)。ぜひ一度、受けてみてはどうでしょうか。

参照

女性の健康推進室 ヘルスケアラボ
https://w-health.jp/old_age/osteoporosis/

公益財団法人 骨粗鬆症財団
https://www.jpof.or.jp/
https://www.jpof.or.jp/Portals/0/pdf/chirasi/leaf/Age40_A4_S_220810.pdf

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Mar 7 2024

医療ライター・山内

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