漢方ビュー通信

そのなんとなく不調、亜鉛不足が原因かも!?

体内で、「亜鉛」が不足した場合の代表的な症状のひとつとして知られているのは、味覚障害です。これは、味を感知する味蕾(みらい:味覚を感じるセンサー)の、正常な機能が妨げられるために起こります。
また、亜鉛は、タンパク質やDNAの合成に関与しているだけでなく、成長、発育、生殖などのさまざまな側面にも関わっています。さらに、解毒プロセスにも必要なミネラルでもあるため、現代人にとって欠かせない栄養素のひとつです。
つまり、亜鉛は味覚だけでなく、健康上のさまざまな問題にも影響を与える可能性があるといえます。

そこで今回は、なんとなく不調を感じているときに不足しがちな栄養素──、亜鉛について解説します

多岐にわたる亜鉛の働きとは

亜鉛は、私たちの体内で、鉄に次いで豊富に存在するミネラルのひとつです。
亜鉛はタンパク質の合成や抗酸化酵素であるSODの活性化、抗酸化作用に貢献します。また、300以上の酵素に関与しており、アレルギーの抑制や成長促進などにも重要な役割を果たします。
さらに、亜鉛はメタロチオネインと呼ばれる有害ミネラルの解毒に必要な物質や、インスリンの分泌など、血糖値の調節にも重要です。そして、アルコールの分解や脳の神経伝達物質の調節など、多岐にわたり活躍しています。

次に、亜鉛が不足した場合のカラダの状態をみていきましょう。

傷の治りが悪くなる
傷が化膿しやすい
味覚が鈍くなる
髪の毛が抜けやすくなる
爪に白い斑点ができる
乾燥肌、びらん、赤みを帯びた肌トラブルなどが起きやすくなる
風邪を引きやすくなる
濃い味を好むようになる
性欲が減退する
胃腸の調子が悪くなる
口内炎ができやすくなる

いかがでしたか。3つ以上該当する項目があれば、体内における亜鉛不足に注意したほうがいいでしょう。

亜鉛不足になりやすいのはどんな人?

亜鉛は主に小腸で吸収されますが、その吸収率は意外と低く、一般的に約3割程度といわれています。さらに、レトルト食品やファストフードなどの加工食品、精製された食材ばかりを摂取していると、亜鉛が不足する可能性が高まります。また、ストレスが多い状況や、過度なアルコール摂取も亜鉛の消耗を促進します。
つまり、健康的な食事を取らず、ストレスをお酒で解消するような生活を送っている人は、まさに亜鉛不足に陥りやすいといえるでしょう。

亜鉛は、健康なカラダを維持するために不可欠なミネラルです。不調を感じた場合には、サプリメントなどで補うだけでなく、不摂生な生活習慣を見直し、ココロと時間に余裕を持つような行動を取ることが、亜鉛不足の解決には効果的といえます。

生活習慣の改善と相性がいい漢方薬

さまざまなカラダの不調は、加齢によるものもありますが、日々の生活習慣が原因となっている場合も少なくありません。そのため、単純な対処療法だけでなく、根本的な対策をすることが重要です。
前述のように、亜鉛などの栄養素の不足が原因の場合、ただサプリメントのみ服用しても本来の健康な状態に戻るのは難しいでしょう。ですので、不調を感じた際には、食事内容の見直しとともに、漢方薬の併用を考えることも手段のひとつです。

漢方薬

漢方薬は、自分が本来持つ自然治癒力を高める助けとなるため、生活習慣の改善と相性がいいのです。ですが、個々の体質や体調によって処方される漢方薬が異なりますので、不調を感じている場合は、漢方薬に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Apr 23 2024

薬剤師・大久保 愛

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