自分では気づきにくい「口臭」!その原因と対策とは?

「口臭」の悩みを抱えている人は、意外と多いのではないでしょうか。他人の口臭は気になりますが、自分の口臭にはなかなか気づかないもの。気づかないうちに、周りの人に不快な思いをさせていたとしたらショックですよね。
そこで今回は薬剤師である筆者が、においの中でも特に気になる口臭の原因と対策についてご紹介します。
なぜ口が臭くなるのか?
口臭の原因の一つに、“硫化水素”があります。聞き慣れないこの成分、じつは、口の中の細菌が作り出しているもので、完全に無くすのが難しいとされています。
さて、この硫化水素の発生を防いでくれるのが、ズバリ“唾液”です。そもそも、唾液には細菌を除去する力がありますが、分泌量が少ないと細菌を除去することはできません。
口臭の理由は他にも、食べ物によるものや内臓によるものなどさまざまありますが、今回は「唾液分泌の減少」による口臭対策についてお伝えします。

唾液の分泌が減る理由
先ほどお伝えしたように、唾液には、硫化水素の発生を防いでくれる働きがあります。しかしながら、その大事な唾液の分泌を減少させてしまう体質や行動があります。日頃の自分と照らし合わせながら、チェックしてみてください。
(1)緊張しやすい
緊張しているときは交感神経が優位になっています。唾液の分泌はリラックスしている副交感神経が優位になっているときに多くなります。
(2)口呼吸もしくは鼻炎
口呼吸は、直接口内を乾燥させてしまいます。
(3)柔らかいものばかり食べる
噛むことにより唾液腺が刺激され、唾液が分泌されます。柔らかいものばかりを食べていると唾液腺が衰え、唾液の分泌が減少してしまいます。
効果的な口臭予防法

いかがだったでしょうか?普段の何気ない行動が、唾液の分泌を減少させてしまっているかもしれませんので、少し気をつけてみてくださいね。
それでは、簡単にできる「唾液分泌の減少」の予防法を紹介いたします。
(1)ほっぺのマッサージ
ちょうどコメカミの下あたりに唾液腺があります。ここを、円を描くようにマッサージすると唾液腺が刺激され、唾液の分泌が増え口臭予防になります。
(2)重曹でうがいする
重曹は、ニオイの原因物質を中和してくれます。うがい液の作り方はとても簡単です。500mlのペットボトルの水に、小さじ1杯の食用の重曹を入れるだけです。およそ10回はうがいできます。
(3)舌を動かす
口を閉じた状態で、舌を左奥歯から左前歯の方に動かし、右奥歯から右前歯の方に動かす動作を繰り返します。唾液の分泌量が増え口臭予防になります。
対処療法にはなりますが、口臭をすぐに抑えたいときにおすすめです。
口臭の原因となる硫化水素を完全に無くすことは難しいですが、減らすことは可能です。お伝えした予防法で、ある程度の口臭は抑えられますので、ぜひ実践してみてくださいね。
薬剤師・大久保 愛