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現代医学における漢方の歴史は紀元前から──

現代医学における漢方の歴史は紀元前から──

現代の私たちにとって、医学は健康を維持するためになくてはならないものですが、その歴史は遥か昔、紀元前にまで遡るとされています。
当時、宗教上から病気は神々が与える罰であると信じられていましたが、古代ギリシアの医者であるヒポクラテスが、医学を宗教から切り離し、病気の原因は環境や食事などの生活習慣にあると示した、と言い伝えられています。
そこから医学は、人がもつ自然治癒力を引き出す治療に焦点をあてて発展してきました。

このように、紀元前からスタートした医学には、西洋医学や漢方医学などに分類されて体系化されるまでに長い歴史が存在します。

今回は薬剤師である筆者が、その医学の中でも、「漢方の歴史」に注目して解説します。

漢方医学の歴史について

漢方医学の歴史について

日本は飛鳥時代、中国からの医療制度や医学を積極的に取り入れていました。
この頃から、人間は自然の一部で、また自然に影響されるものであり、部分的に診るのでなくカラダ全体をひとつとして診る、という考え方が基本となっていました。
さらにその診断は、数値や外科的な指標ではなく、経験則が土台となっていたようです。

平安時代になると、それらをもとに日本独自の最古の医学書がつくられました。
その後、日本の気候や風土、日本人の体質などに合わせてさらに発展を重ね、中国から伝わった医学は、漢方医学として日本の伝統医学へと確立されていきました。

江戸時代になると、ヨーロッパの文化や芸術、技術などが入ってくるようになります。
中でも、オランダから入ってきた「蘭学」の中心は医学で、そこから生まれたのが、杉田玄白らが翻訳した西洋の解剖学書である「解体新書」です。
この本の出版をきっかけに西洋医学は瞬く間に広がり、明治時代の医学の中心は西洋医学となっていきました。

このまま衰退していくかと思われた漢方医学ですが、昭和時代に湯本求真の「皇漢医学」という本がきっかけとなり、再び脚光を浴び始めます。
そして、そこから漢方は薬価基準に収載され、医療用医薬品として保険診療の対象となり、現代の医学にも用いられるようになりました。

漢方医学と西洋医学を上手に活用する

漢方医学と西洋医学を上手に活用する

漢方医学も西洋医学も、もとは同じところから発展していった医学です。
専門的に研究していることや、着眼している視点が違うだけで、どちらが優れているとか劣っているかというものではありません。

例えば、精密検査をする、殺菌する、痛みを抑える、血圧を下げる、などは西洋医学が得意とするところです。
逆に、検査数値などに現れにくい症状や原因を特定できない症状などは、漢方医学が得意とします。
これらのことから、その時の症状に合った処方を選択することで、治療の幅は広がります。
どちらを選ぶべきか…もちろん自分の意思も大事ですが、専門の医師に相談しながら決めると安心でしょう。

長い歴史を経て体系化された漢方医学と西洋医学ですが、それぞれに異なる良い部分があります。
まずは、自分の生活の質を下げないようにしていくことが大事ですが、もし体調を崩してしまった時には、それぞれのメリットを生かして治療に活かすとよいでしょう。

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漢方を知ろう
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