漢方ビュー通信

女性にも多い抜け毛、気になり始めたら早めの対策を

女性にも多い抜け毛、気になり始めたら早めの対策を
髪の毛のボリュームダウンで悩むのは、男性だけではなく女性も同じです。
気がつくと、枕元の抜け毛が増えていたり、排水溝に詰まる髪の毛の量が増えていたり、ブラシを通すとごっそりと髪の毛が絡みついてきたり…。

髪の毛が抜けていくと、誰もが不安になってしまうもの。
その原因には遺伝的なものもあれば、日常生活に隠されていることもあります。

そこで、今回は薬剤師である筆者が、女性にとっても身近な悩みのひとつである「抜け毛」について解説します。

女性の抜け毛の原因は多数!

まずは、ヘアサイクル(毛周期)の仕組みについて。
一般的に、私たちの髪の毛は、5〜7年かけて成長し、2週間の退行期、3か月ほどの休止期を経て抜けていきます。
個人差はありますが、髪の毛の本数は約10万本。休止期の毛髪はその10%を占めるとされているので、3か月で1万本、つまり1日に100本ぐらいが抜ける計算となります。
したがって、1日に抜ける髪の毛が100本以内であれば特に心配する必要はありませんが、それ以上になると発毛サイクルが乱れていることを示し、薄毛につながると考えられます。

女性の抜け毛の特徴は、男性のような生え際やてっぺんの部分などが部分的に抜けるのではなく、全体的にボリュームが落ちるパターン(びまん性脱毛症)が一般的です。

原因として考えられるのは、急激なダイエットやアルコールの過剰摂取、喫煙、睡眠不足などの不摂生、過度のストレスで自律神経が乱れたりすることなど。
すると、頭皮の血流が低下してしまい、髪の毛に栄養が行き渡らなくなり、毛根の新陳代謝が落ちることで発毛のサイクルが乱れてしまいます。

また、女性ホルモンの分泌も発毛に関係するため、気候や加齢、出産などによるホルモンの乱れによっても抜け毛が増えてしまいます。
さらに、頭皮の皮脂分泌が増え炎症を起こす脂漏性湿疹や、乾性のフケが増えることで炎症をおこし、髪の毛が抜けることもあります。

女性の抜け毛の原因は多数!

実践してほしい抜け毛対策

抜け毛対策として、まずは頭皮の清潔を保ち、刺激が加わるようなことを避けることが大事です。
シャンプーやトリートメントの流し残しはもちろんのこと、そもそも頭皮の汚れを落とせていなかったりすることも問題です。
他にも栄養バランスの悪い食事や紫外線、パーマ、カラー剤、合わないシャンプー、ドライヤーのあてすぎなどで髪や頭皮を傷めてしまうことも原因になる要素なので注意しましょう。
髪の毛を留めるピンで、毛を強く引っ張るようなアレンジを控えるようにすることも対策のひとつです。

このように、抜け毛対策には日頃から髪の毛をいたわること、バランスのいい食事でカラダの
内側からもケアすることを心がけることが大切です。

漢方薬でも頭皮のケアを

漢方医学では、抜け毛や白髪などの髪の毛に関わる悩みがあるときには、エイジングケアに関わる臓器である「腎(じん)」の働きをサポートすることが必要であると考えているため、「腎」に特化した漢方薬で対処することがあります。

腎

また、自律神経やホルモンの乱れを整える漢方薬を用いて、抜け毛の原因から対策をとることも方法のひとつでしょう。
他にも、脂漏性湿疹や頭皮の乾燥などが気になる場合は皮膚科を受診しながら、漢方薬を服用することも可能です。
かかりつけ医や漢方に詳しい医師に相談しながら、治療に専念するとよいでしょう。

女性は常にヘアスタイルを意識して、自分自身でもヘアアレンジを楽しみたいもの。頭皮の問題を放置して悪化していくと、その楽しみも減り、不安も増していくばかりです。「あれっ、なんだか抜け毛が増えたな」と、気になったそのときから、外側と内側の両方のケアを行い、早期解決を目指しましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)

こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic
Feb 18 2022

薬剤師・大久保 愛

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