睡眠の質を高めることが、不調改善の近道!
毎日朝までぐっすりと眠り、カラダと脳の疲労をリセットして、清々しい毎日を過ごすことができたら幸せですよね。しかし、毎日良質な睡眠を取り続けることは思ったより困難。
ストレスで暴飲暴食をしてしまったり、運動不足になってしまったり、生活リズムが乱れてしまったりと、良質快適な睡眠を邪魔してしまう要素はたくさんあります。
「毎日が健康で、睡眠の質が満点!」といった生活を送るのは難しいことなのです。
この睡眠に関わる物質には、メラトニンやコルチゾール、成長ホルモンがあります。
これらの分泌が正常であれば、良質な睡眠を得ることができるのですが、それは日中の生活に依存しています。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、睡眠の質に深く関係するホルモンについて解説します。
良質な睡眠のために必要な3つのホルモン
まずは、それぞれのホルモンの簡単な働きについて。
睡眠へ誘導する働きのあるメラトニン、新陳代謝を促す働きのある成長ホルモン、起きる準備を促すのがコルチゾールです。
日常生活でストレスが多いとコルチゾールの分泌に影響が出て、中途覚醒や早朝覚醒など浅い睡眠の原因になってしまうとされています。
睡眠には脳とカラダの両方が休んでいるノンレム睡眠と、カラダだけが休んでいる(脳は活発に動いている)レム睡眠があり、1セット約90分として4〜5セットを一晩に繰り返しています。この睡眠のメカニズムが大きく関わっていて、コルチゾールの分泌リズムが乱れている人は、この周期が切り替わるタイミングで目を覚ましてしまうことがあります。
そして、ノンレム睡眠のときには成長ホルモンの分泌が増え、細胞の修復やストレスの軽減、免疫強化、糖代謝や骨代謝を正常に保つ、老化防止などの働きをします。
眠りについた最初のノンレム睡眠の周期時間が一番長いとされているので、“寝始めの質を良くすること”が特に大事です。
また、睡眠を促進するメラトニンは、夜に増加する特性があり、強い抗酸化作用や内分泌系や免疫系の管理、鬱症状の改善を行ったりする作用があります。
ただし、寝る前にパソコンやスマホなどの明るい光を浴び過ぎると、メラトニンの分泌が停止してしまうことがあるので注意が必要です。
以上のように、良質な睡眠を維持するには、これら3つのホルモンをコントロールする必要があるのです。
睡眠の質を高めるためのアプローチとは
世の中にはたくさんの健康法が存在しますが、やはり、睡眠の質を高めて人間が持つ本来の力を発揮できるようにすることが未病対策、美容対策の基本になると思います。
睡眠の質を高めるアプローチとしては、運動や食事、漢方薬、サプリメントなどが挙げられますが、自分に合っている健康法かどうかは人それぞれ違うので、1つずつ探っていく必要があるでしょう。
その中でも、漢方薬はおすすめの対策のひとつです。
睡眠の質の低下の原因は、ストレスや加齢、貧血によるものなど多岐に渡ります。ですが、漢方薬は、それらの原因や個々の体質に合わせて処方が選択されます。
睡眠で悩んでいる人は、一度、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談してみてはいかがでしょうか。
睡眠の質を改善することは、ふだん感じている何かしらの不調を改善する近道になると思います。
ぐっすり眠ることができるのは気持ちがいいものです。睡眠の悩みを抱えている人は、1日でも早く解決できるように対策を実行していきましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛