忙しい時期のストレスからくる不快症状には、漢方薬で対処を
年度末から新年度にかけて、バタバタする時期──。
人によっては、この時期が1年の中で、やることいっぱい、気を遣うこともいっぱい、プレッシャーもいっぱいで一番忙しく、極度のストレスにさらされてしまっていることも。
その結果、動悸が止まらなくなったり、過呼吸になったり、喉になにか詰まったような感覚になることがあるかもしれません。こういった症状は、なかなか他人に理解されづらいので困ってしまいますよね。
そこで、今回は薬剤師である筆者が、ストレスから引き起こされる“不快症状”について解説します。
ストレスで起こる不快症状
ストレスから引き起こされる代表的な不快症状を紹介します。
過呼吸
過換気症候群ともよばれますが、過度のストレスや肉体的な疲労が原因となり、呼吸中枢や自律神経に影響し、発作が起きてしまいます。
咽喉頭異常感症
ヒステリー球や梅核気などともよばれ、自覚症状としては、喉に何も詰まっていないのに異物感を感じたり、吐き気を感じてしまうこともあります。耳鼻咽喉科などを受診しても異常は認められず、自律神経の乱れや貧血、喉の過敏症などが原因となります。
動悸
ストレスにより、ストレスホルモンといわれるコルチゾールなどが副腎から分泌され、血流量や心拍数が増加し動悸を感じやすくなります。それに加え、自律神経の乱れも動悸の原因となります。
ストレスケアの選択肢に漢方薬を
ストレスを感じた時、私たちのカラダには防御反応としてさまざまな症状が現れます。
そのような時、『何か深刻な病気かも!?』と考え、さらにストレスを増やしてしまうこともあるかもしれません。
そのため、人間関係や環境の変化によるストレス、肉体的な疲労が増えそうだなと感じた時には、事前に漢方薬を使って厳しい環境に準備をしておくことが効果的です。
漢方薬は、ココロとカラダを整えてストレスに強い土台を作ったり、緊張や不安感、イライラが起こりそうなシチュエーションに合わせて服用することができます。
過去に経験したケースを思い返し、忙しい時期や過度のストレスがある時期に、高頻度で不快症状を感じることがわかっている場合には、事前に漢方に詳しい医師や薬剤師に相談しておくのもいいかもしれません。
「半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)」、「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」、「加味逍遙散(かみしょうようさん)」、「加味帰脾湯(かみきひとう)」などをはじめとして、ココロとカラダを整える漢方薬は多く存在しますので、自分に合った処方をしてもらいましょう。
ストレスケアには、自分を客観的に分析し評価し行動していくことも大切です。忙しい時期が続きますが、うまくバランスを取りながら、毎日を過ごしていくことを心がけましょう。
ご存じですか?
医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)
こちらも参考に!
漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介
https://www.kampo-view.com/clinic薬剤師・大久保 愛