今年はすませた?婦人科検診のススメ
厚生労働省ではがんの予防として、年齢に応じて婦人科系では子宮頸がんや乳がんの検診のクーポン券を配布しています。最近話題に上ることの多い婦人科系のがんですが、自分には関係のないことと思い、がん検診をすっかり忘れてはいませんか?
早期発見により救われる命もたくさんあります。恥ずかしいし怖いしで、検診を後回しにしている人も多いと思います。
今回は薬剤師である筆者が、婦人科検診のなかでも子宮頸がんの検診の流れについて解説したいと思います。
子宮頸がんの検診の流れ
1:問診票記入
生理周期、最後に生理が来た日、不正出血、婦人科で抱えている問題、妊娠出産経験、授乳経験、中絶流産経験、病歴、通院中の症状など細かく記載します。何か悩みがあればプラスして記入し、相談しましょう。
2:着替え
ガウンなどの検査着を貸し出している場合もあります。ない場合はバスタオルなどを借りることもあります。しかし、初めて受診するところでは、私服のまま検査することも想定していると安心だと思います。ショーツ、ストッキング、靴下などはすべて脱ぎ、下半身は何もつけない状態になります。それを自分のスカートで隠せるようにスカート着用で検査にむかうのがオススメです。
3:問診
問診票をもとに診察があります。恥ずかしがらずに聞かれたことは正直に話しましょう。
4:内診
検査自体はトータル5分程度で終わります。
内診台に移動します。両足を軽く広げて足を置く場所があるリクライニングチェアに座ります。慣れない状況ですが、リラックスして座りましょう。お腹周辺にカーテンやタオルなど隠すものがあるので、医師の顔や内診の様子は見えない場合が多いです。
【子宮頸部細胞診】
膣鏡(ちつきょう)という金属で、子宮の入り口を広げます。少し痛みを感じる人もいると思いますが気にならない程度だと思います。子宮頸部の細胞を細い綿棒で採取されます。痛みを感じることはほぼありません。
【HPV検査】
HPV(ヒトパピローマウイルス)に感染していないかの検査をします。自治体により検査する場合としない場合があります。
HPV自体はほとんどの人が持っていますが、HPVの16型や18型が見つかった場合は、子宮頸がんのリスクが高まります。検査の内容は、子宮の細胞の採取なので痛みはほぼありません。
【エコー検査】
経膣超音波検査(けいちつちょうおんぱけんさ)です。
X線ではなく、超音波での検査になるので、妊娠中だったとしても胎児に影響はありません。検査器具を膣に挿入して、子宮や卵巣にトラブルがないかチェックします。
5:結果1
エコー検査や内診でわかる範囲の結果は当日聞くことができます。
6:結果2
細胞診やHPVの結果は後日になります。
7:定期的に検査を行う
問題がなかったとしても定期検診は続けてください。
子宮頸がんの初期はほとんど自覚症状がありません。もし検査で要精密検査と言われたとしてもがんと確定したわけではありません。精密検査をして問題のないことも多いです。早期発見が大切な病気です。怖がらずに定期検診はしっかり受けましょう。
薬剤師・大久保 愛