漢方ビュー通信

万病の元、便秘を侮るなかれ!

万病の元、便秘を侮るなかれ!

みなさん、毎日お通じはありますか?

じつは、現代人の約2割は便秘症であるといわれており、一般的に1週間の便の回数が3回未満の人は便秘とされています。
便秘は、おなかが張って不快なだけでなく、肌トラブルやイライラなどの精神症状も引き起こすことがあります。また、他にもさまざまな病気の原因にもなってしまうこともありますので、しっかりと対処していきましょう。

便秘は大きな病気の原因になってしまうことも

漢方医学では、便秘は「気・血・水(き・けつ・すい)」のなかの「水」の不足、ストレスや緊張による「気」の異常「血」の異常である「瘀血(おけつ)」などによって起こると考えられています。
以下に便秘によって引き起こされる恐れのある症状の一例を紹介します。

・冷え症(冷え性)
・むくみ
・イライラ、落ち込み
・ニキビ、肌荒れ
・痔
・腸閉塞
・大腸がん

便秘は単なる不快感だけでなく、時として大腸がんのような大きな病気の原因になってしまうこともあります。

あなたの便秘はどのタイプ?

あなたの便秘はどのタイプ?

便秘のタイプは大きく分けて「器質性便秘」と「機能性便秘」があるとされています。
器質性便秘は、腸に関する病気(虫垂炎などの手術後の腸の癒着、大腸の炎症等)が原因で起こる便秘のため、速やかに医療機関での診察が必要になります。
一方、大腸のはたらきの異常が原因で起きる機能性便秘は、便秘の大半を占めるもので、さらに弛緩性便秘、直腸性便秘、痙攣性便秘の3タイプに分けられます。
この3タイプについて、それぞれどんな特徴があるか解説します。

<弛緩性便秘>

食事量が少なかったり、運動不足、加齢などによる腹筋力の低下で、腸管への刺激が低下し、便が出なくなる。

<痙攣性便秘>

ストレスや過敏性腸症候群など、自律神経失調症によって大腸の動きが悪くなる。

<直腸性便秘>

便意を我慢してしまったり、下剤や浣腸を乱用することによって直腸の感受性が低下し、便が溜まっても排出されない。

便秘改善には、規則的な排便習慣と生活習慣がポイント

便秘改善を目指す上で一番大切なことは、しっかりと排便習慣をつけること。
朝忙しい人はとくに便意・排便を我慢しがちですが、我慢すると便が行き場を失って滞留し、数日続くと固まって便秘の原因となります。
便意を感じたらタイミングを逃さないことが重要です。毎日トイレに入り規則的な排便習慣をつけるようにしましょう。
また、ストレスが溜まると、自律神経に乱れが生じて、大腸や胃など消化器系の内臓のはたらきに影響が出ることも。ストレスの程度にあわせて趣味や睡眠などでリフレッシュするよう心掛けましょう。

便秘を改善するためには、規則的な生活習慣は必要不可欠です。
十分な睡眠をとることで、自律神経やホルモンバランスを整えることができるため、腸がしっかり動くようになります。
また、栄養バランスが整った食生活に加え、食物繊維を多く含む食材を摂るようにしましょう。
例えば、納豆や山芋、春菊、アボカド、昆布、バナナ、桃、柿など、手軽に摂れる食べ物は、積極的に取り入れるとよいでしょう。
また、運動不足の人は、腹筋を鍛えるのもとても効果的です。腸の動きが活発になり、便通が良くなるだけでなく、ポッコリおなかも解消されます。

自分の便秘タイプに合った漢方薬を選びましょう

漢方薬

便秘以外の症状がないときは、西洋薬で、いわゆる「下剤」を用いることが多いです。
この場合、症状があるときだけの一時的な服用となりますが、便秘以外の症状も伴っている場合には、漢方薬を用いて体質改善を行いつつ、排便の状態を整えていくこともあります。

前述したように、便秘には種類があり、またそれに伴う症状も複数あります。
例えば、便の特徴(コロコロした便が出る)や胃痛を伴うもの、便秘と下痢を繰り返すもの、肩こりや腹部の張りを伴うもの、月経不順や月経の不調を伴うもの、イライラや不眠を伴うものなどがあります。

いずれも、処方される漢方薬は違うため、その時の自分の症状に合った漢方薬を選んでもらうことが大切です。特に、慢性的な便秘に悩んでいる人は、自分の判断でチョイスせずに専門の医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

便秘は、根本的な体質改善と規則正しい生活習慣を行うことで解消されやすい症状です。
大事なのは、辛いことを我慢しないこと。ライフスタイルを見直しながら、漢方薬や西洋薬などの薬も用いて、少しずつ改善していくことです。

毎日スッキリ気持ちよく便を出せるように、できることから挑戦してみましょう。

ご存じですか?

医療用漢方製剤はお近くの医療機関で処方してもらうこともできます。
ご自身の症状で気になることがありましたら、一度かかりつけ医にご相談ください。
(すべての医師が漢方独自の診療方法を行うとは限りません。一般的な診療だけで終える場合もあります。)


こちらも参考に!

漢方に詳しい病院・医師検索サイト紹介

https://www.kampo-view.com/clinic

Feb 24 2021

薬剤師・森田博美

関連コンテンツ